林材業ゼロ災運動の進め方
林業の事業体は規模が小さく、安全管理活動が十分でない面が見受けられます。そのため、事業者と作業者が一体となって安全対策の確立やその実践など自主的な安全管理活動を積極的に展開していくことが重要です。
「林材業ゼロ災運動」を定着させましょう
- ゼロ災運動は、 人間尊重の理念に基づいて、働く人々の安全と健康をみんなで先取りしようとする運動です。
- ゼロ災運動の理念は、つぎの3つの原則に立っています。
- ゼロの原則
- 先取りの原則
- 参加の原則
「林材業ゼロ災運動」では、事業所ぐるみで次のことを実行しましょう
事業者と作業者が一体となって、林材業に働く1人ひとりの命を大切にして、職場や作業に潜む危険の芽をあらかじめつみ取り、何がなんでも「ゼロ災」を実現しようとする全国の林材業あげての取り組みです。次のことを実行しましょう。
- 「ゼロ災運動実施宣言」を行いましょう。
- 「ゼロ災ワッペン」をつけましょう。
- 作業開始前の「作業指示」及び「危険予知ミーティング」を励行しましょう。
- 「指差し呼称」を励行しましょう。
- 災害多発作業に重点を置いた安全教育を徹底して行いましょう。
「危険予知のためのミーティング」を励行しましょう
「危険予知ミーティング」では、毎朝、作業現場において、その日の作業にひそむ危険を話し合い「これは危ないなあ」と危険に気付き、作業における危険な事項を確認し合い、注意力を高めましょう。
- 作業にかかる前、5人程度以下の少人数の作業仲間同士で、3~5分程度ミーティングを行います。
- 班長が、その日の作業にひそむ危険を指摘し、安全な作業方法、手順について作業者に指示し、安全注意事項を決めます。
- 又は、班の全員が、当日の作業で危険が予想される点について意見を出し合い、その日の安全注意事項を決めます。
- こうして決めた安全注意事項を、班の全員で「指差し唱和」します。さらに、全員で「ゼロ災でいこう、ヨシ!」などと唱和しましょう。
「指差し呼称」で確認しながら作業しましょう
- 毎日、省略やエラーなしで作業を行いたいものです。作業の手順を守り、指差し呼称で確認しながら作業を進めましょう。
指差し呼称が完璧に実践されているように見えても、肝心の安全確認の効果を果たしていないのでは何の役にも立ちません。形を作ると同時に魂を入れましょう。 - 指差し呼称は頭と動作をクリアにします。
作業を安全に誤りなく進めるため、危険を伴う作業の要所要所で確認すべき対象を、しっかり見つめ、指を差し、大きな声で「○○、ヨシ」と呼称します。指差し呼称をすると、意識を正常でクリアな状態にするため集中力が高まり、何もしない場合と比べてエラーの発生する割合が6分の1になるというデータもあります。 - 心をこめて指差し呼称をしましょう。
眼、腕、指、口、耳などの感覚を総動員して安全を確認しましょう。